サッカーには全く関係ない、あるバイクレーサーの件で…
「ノリックが交通事故死、トラックと衝突」(ニッカン)
事故翌日の新聞で知った。
本日、告別式が行われることもあり、日本人としては希有なライダーを想い、記したいとおもう。
僕がバイクに乗りだした頃、世界GPでは『6強』と言われる時代だった。スズキ党だった自分としては、一人のアメリカンライダーを応援し、その『突っ込み』に酔いしれたものだった。
彼が出てきたのは、その『6強時代』が終わる頃だ。
ワイルドカードで94年の鈴鹿で衝撃的な世界デビューを飾る。
『56』のノリックがシュワンツやドゥーハンを追いかけ回す姿は、かの『ガン・ボーイ』を彷彿とさせるものだった。前輪に荷重をかけてリアをスライドさせながら前へ進むそのスタイルは、まるで踊っている様であり、日本人らしからぬ故にGP500クラスでのチャンピオンを期待させるものだった。
しかし、そのスタイル故、リスクもあるしムラもある。国際映像に映らないレースも多かった。それでも彼の『イイ時』の走りには魅力があった。安定してコケない強すぎるドゥーハンよりも、期待を裏切ったり想像以上に叶えたりするノリックに惹かれたものだ。
彼の人柄にも多くの人が惹かれたことだろう。
いつも無邪気な子供の様な、そんな笑顔を見せられれば、憎めない可愛い奴になってしまう。今になって知ったが、後進の為にスクールを開くあたりも彼の人柄が伺える。
事故ってあっけなく大切な命を奪ってしまう。
『天才』と言われたライダーを失ってしまったことは確かに大きい。
だが、命に差はなく、不運にもこの件では彼であったということだ。新聞にも載らない所で、これよりもっと悲惨な事故が起こっていることだろう。全ての『運転者』が戒めるきっかけとなることを願って、彼の死を悼みたい。
今頃、もう一人の天才『大治郎』と走っていることだろう…
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